彼が仕えてきた主君や、ほかの要人たちからも感じたことのない圧倒的な、強い存在感。
すべての者を服従させてしまうような、荘厳な威厳。
それが、彼を無意識に動かしていた。オーディンの前で、片膝をついていた。
(この御方が、あの主神オーディン……)
「お目通り叶い、恐悦至極にございます」
「よい、面を上げよ」
「はっ」
誰もを従える、主神の前でグレーブスは片膝をついたまま頭をゆっくりと上げる。
オーディンは、グレーブスとエイルに強い意志を感じさせる瞳を向けていた。
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