「「「シャルル・ド・ローライト第二王子殿下、我ら元老一同、謹んで殿下の16歳のお誕生日のお祝いを申し上げます」」」
そう言って元老達は一斉に、うやうやしく頭を下げる。
その先には第二王子にして王太子のシャルル、その母にして王の愛妾ベアトリス・ヴェルヌ侯爵夫人(彼女は本来であれば寵姫に過ぎないのだが、今や正式な王妃のように振る舞っていた)、そしてメインランド王国・現国王レオネス2世の三名が顔を揃えている。
元老達も一応、形の上では王家を立てているのだ。
それに対して国王レオネスは一言…。
「うむ、嬉しく思う」
「……」
だが当のシャルルは何故か俯き加減で黙ったまま何も言わない。
というか誰とも目を合わせようとしない。
彼は軽度の対人恐怖症だった。
そんな息子に母ベアトリスは、肩に手を置いて促す。
「ほら!シャルル。元老の皆に何か言葉を掛けておやりなさい」
「は…は…はい、母上…」
シャルルは元老達に向かってボソボソと呟くように言った。
「あ…あ…ありがたく…お…思い…ます…」
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