その頃、宰相はとある将校を問いただしていた。
「では、捕縛どころか、発見すらできていない、ということか……」
「も、申し訳ございません!」
宰相は内心でため息を出すと、表情はそのままで将校に声をかける。
「……まあ良い。命じてからまだ5時間だ。急な知らせに私も焦っていたようだ」
「は、はあ……」
「陛下はここの元王妃にしばらくは夢中だろう。その間に発見して捕捉するぐらいは済ませねばな。……迅速に、しかし確実に探すのだぞ」
「ははーッ!!」
バタン
「…………ふぅ」
将校が部屋を出た後、今度は実際にため息を出して、つぶやく。
「処刑したこの国の王に、愛妾がいたとはな……」
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