頭を上げた時には、レオポルトだけでなくリリアンも覚悟をきめたらしかった。
「嬢ちゃん、いい顔してるぜ」
「えっ?」
リリアンはエーヴェルトの言葉の意味を理解しかねたようだ。
そっとレオポルトが囁く。
「リリアンが可愛いってことだよ」
「可愛いって…」
リリアンはちょっと照れている。
するとエーヴェルトはくっくっと面白そうに笑いだした。
「レオポルト、それだけじゃねえぞ。嬢ちゃんが見目かたちがいいのは本当だが、ちゃんと覚悟を決めた顔をしてるって意味だ」
「は、はい!」
「僕も浅知恵でした。ごめんなさい」
「はははっ、いいさ。これから師匠たる俺の流儀を覚えて行けばいい」
実際にリリアンは村でも可愛い娘と思われていたのだが、本人にはその自覚が無かったようだ。
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