もぐりこむ舌先に、知らず目を閉じていた。袂から左手が忍び入ってくる。素肌をたどる手指に、かっと身体が熱くなった。
侵入した手は、遠慮もなく乳房を掴みしめた。彼に触れられて初めて、乳首が痛いほどとがりきっていた事実に気付かされた。これではまるで、待ち焦がれていたみたいだ。羞恥にかられて、私は思わず唇をもぎ離した。
「あっ、やっ…待て、待って…」
顔を背けてそれだけ口にする。
リオンは焦れたような、熱い吐息まじりに耳元で呟いた。
「今日はダメとか言わないでしょ」
「あ…ダメ…じゃない、けど。ちょっと待て、その…」
「ベッドがいい?」
「そうじゃなく…とりあえず手を、離せ」
拒否するのではないと聞いたからか、リオンは思いのほか素直に手を離した。
私は彼の手をひいて、奥のベッドに座らせた。
「リオン」
腰かけた彼の前に立ち、見下ろしながら…顔を見ないようにして、呼びかけた。
「?」
「…その、嫌だったら、言え。抵抗しろ。いいな?」
「え、どういう……?」
「黙ってろ」
言えと言ったり黙っていろと言ったり、彼にはわけがわからなかっただろう。だが気遣ってやる余裕もなく、私は彼の前に跪いた。
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