「…ちょっと待ってください。それなら魔族なんて捨ててボルゲーノと一緒にシナイ山で暮らせば良かったじゃないですか。どうして彼を封印する事になっちゃったんですか?」
「これも想定外の事だったのですが、玉座を巡って争っていた異母兄姉達が相討ちして全員死んでしまったのです。サタンダーク氏の子女で残った者は今や私と皮肉にも私が先走って封印してしまった妹のカサンドラのみとなってしまいました。更に悪い事に、これを好機と見た十氏族達が魔族打倒を狙って水面下で動き始めたのです。このままでは魔王国は分裂・崩壊し、再び諸侯が覇権を巡って相争う戦乱状態になってしまいます。それだけは何としてでも避けねばなりませんでした…」
そう言うとリリーは当時を思い出すかのように瞳を閉じた…。
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