「俺だ、紅夜叉だ!」
『べに?…!ああ、紅ちゃんか!どうしたんだ?俺としたくなったのか?』
ドスの効いた声が急に柔らかくなったがスケベで粘りのある声色だった。
「頼む、八侘のねぇちゃんに繋ぎをとってくれ!場所は…」
起き上がろうとする馬頭鬼に蹴りをくれて動きを封じながら紅夜叉は一気にぼろアパートの名前と周りの風景を説明した。
『いったい何があったんだい?』
スケベそうな声が一転して心配してきた。
「細かいことは話せないけど、厄介ごとに巻き込まれたんだ。で、チンピラ崩れに助けられたんだけどこいつが組みの金を持ち逃げして身動き取れなくなったんだ!頼むよ」
『本当に厄介だな。でもかわいい紅ちゃんの頼みだ、やってやるさ』
「ありがとう。返せるかわからないけど恩に着るよ」
『気にすんな。だからよ、こんど…』
パンチパーマの言葉が終わる前に通話を切った。
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