巨乳美女王国、3人のお姫様 68
「そう、頼むよ。後は何が有ったかな?」
「あの、殿下?」
考えていた僕にフローラが焦った様子で尋ねる。
「あ、あの。今のお話はその、隣国に関しての様ですが?ま、まさか殿下は、その……」
事ここに至っては隠す意味も無いな。どうせ暫く留守にする事に関して納得させる必要も有るんだし。
「今後の対ガッディール政策に関してだね」
「?!つ、つまり殿下は既に隣国の事やお母様の昔の事をお知りになっていると?」
僕はフローラの両肩を掴んで言う。
「フローラ、ファリスには内緒だ。この国の皆の未来がかかっているんだ。何も知らずに何もしないではいられないんだ」
「お母様やレナは知っているのですか?」
「レナはまだだね。ファリスは、もしかしたら気付いている可能性も否定出来ないけど話はしてないよ」
「そ、そうですか」
動揺を隠せないフローラ。
「このまま何もしないでいたら全てが終わってしまう。フローラ達を奴らに渡す訳にはいかないんだ」
「で、ですが…」
「妻達を生贄にして生き長らえる気は無いよ。それに母さんやミユキもいるんだからね。そもそも、僕が生きる事が可能かも怪しいからね」
「……」
「だから僕は出来る限りの手を尽くして奴らと戦うよ。皆の為に、自分の為にね。だから止めても無駄だよ」
「……」
「今回は誘拐騒動の時の様に勝手なまねは絶対に許さないよ。野盗数人とは危険度の桁がまるで違うんだからね。君の身一つでどうにかなる筈も無い。本当に国の存亡に直結するんだから。冗談抜きで、事と次第によっては僕が君を処刑しなきゃならなくなる事も有り得なくは無いんだ」
「……」
「だから邪魔はさせないし勝手な行動も許さない。これは副王、そして夫としての絶対命令だ。良いね?」
「…畏まりました殿下。ですが無茶はなさらないで下さいね」
「約束は出来ないね。安全で手軽にどうにかなる話なら、ファリス達の長い苦労は無かった筈だよ」
「それは…そうかもしれませんが」
「僕とミユキが何とかするから、これからは色々と協力してもらうよ」
僕はフローラを抱き締める。
「僕を愛してくれるなら僕を信じて任せて欲しい」
「殿下」
「フローラ」
僕達は見つめ合いキスをした。
「僕に任せるんだ。良いね」
「はい」
そして再びキスをする。
どれ位していたのか分からないけど、漸く我に返って周りを見ると4人に大注目されていた。
スズナは目を輝かせウットリとしている。
サーラ先生は神妙な面持ちで姿勢を正している。
アルルとメルルは目のやり場に困り果ててる。
「えーと、この後どうしようか?」
僕は気恥ずかしくてそう言うのがやっとだった。
「スズナ、いつか大功臣に会ってもらう。もしかしたら、彼女は君と異世界で面識が
あったかもしれない。それと、学校の女子をまとめあげて欲しい。いろんな意見を集めて、
王宮に届けてくれ。いいね?」
「はい、殿下」
僕がスズナの手を握って言うと、よい返事が貰えた。
「先生にも期待してるよ。味方になってくれそうな国の若者との交流…実にいい考えだ。
妨害のような動きもあるだろう。もし、不穏な動きがあったら知らせて欲しい」
「約束します、殿下」
サーラ先生にも同じようにする。彼女はなぜか感動して涙ぐんでいた。
「殿下は演説とおっしゃりましたが、女には…ああするのが一番です」
「呼びかけという形が、殿下の優しさを感じます」
「まさに、副王の器です」
「何も、特別なことはやっちゃいないさ」
僕は学校を後にすると、フローラと護衛の二人が褒めてくる。
「お母様の事はお任せを。殿下」
「レナを連れて行くけど、会いに来るといい。七日程で交代させよう」
僕たちは城に戻ることにした。
「レイジ、どこに行ってたの?」
「学校に視察さ」
「女子生徒の処女でも狙ってた?」
「先生と生徒一人にしか会えなかったよ。お忍びだったし」
「殿下、早速立ちましょう」
ミユキとレナは既に旅支度を整えていた。
「フローラ、行ってくるよ」
僕たちは駅馬車で農園がある地方都市へと向かう。もちろん、二人の護衛も一緒だ。
前の蒸気アシストと違って目立った改良はないけど、キャビンを革ベルトで吊り下げる方式で
なく、金属の板バネで乗り心地がよくなっているし、左右と後部に取り外し可能な鉄板による
簡易の装甲も付けられている。荷物は後部と屋根に分けて積まれた。
駅ごとに馬を変えながら夜中も馬を走らせたので、思ったより早く到着した。
僕達が元商家に着くと、母さんとメイドがいた。