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ひたすら降りていく
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ひたすら降りていく 1

一人の男が薄暗い石造りの螺旋階段を降りていた、カツッカツッと足音が響き、壁に等間隔で置かれている蝋燭が揺めきながら僅かな明かりを灯している。
明らかに異様な空間だ。底が見えない、そんな雰囲気すらある。
男はゆっくりと慎重に石段を踏みしめながら降りていった。カツッカツッという足音が狭い空間にこだまする。壁に並べられた蝋燭の炎は揺らめき、怪しげな影を踊らせていた。
男は思った。この階段はどこまで続いているのだろうか。まるで底無しのように感じる。この先には、何が待っているのだろうか。
男がさらに降りていくと、今まで以上に暗く湿った空気が漂い始めた。男は壁に手をつき、一段一段確かめるように降りていく。
男が慎重に石段を踏みしめながらさらに降りていくと、深い闇が待ち受けていた。壁に手をつき、一段一段確かめるように進む男の耳に、水滴が落ちる音が響いた。雫は天井から落ちているようで、石段の中央に掘られた溝を伝って流れていく。男は水滴の音を頼りに降りていくことにした。
闇の中を下りていくにつれ、不気味さが不安を呼び起こす。
ぐしゃりと、何か乾いた物を踏み潰した。
一段、一段と用心深く降りていくと、またぐしゃりと何かを踏み潰してしまう。
生き物ではなさそうだが、不安になった男はカンテラを取り出し、魔力を流し込む。
魔術師ではない者でも魔法を使うための、魔法道具の一種だ。
鈍い光が、ぼうっとあたりを照らす。
螺旋階段のところどころに、風化した骨が落ちている。
動物やモンスターの骨もあれば、人か人型モンスターらしい頭蓋骨さえもあった。
男は思わず悲鳴を上げた。
「どうした」
今度は不意に声をかけられ、男は飛び上がりそうになる。
慌てて振り返ると、そこには白いローブを着込んだ男が立っていた。
「悲鳴が聞こえたのでね」
彼は穏やかに微笑んでいるが、どこか不気味な雰囲気を纏っていた。

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