勇者淫道中
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紙が腐りかけている本もある。 棚ごと崩れて、苔むしている本の山もある。 独特の臭いがうっすらと漂い、独特の雰囲気を醸し出している。 朽ちていくってのは、こういう事を言うんだろうな。 「いっぱい本があったのに、もったいないね」 「そうだな」 「残念な事です。どれほどの知識が失われたか…」 アンネリーの残念そうな言葉に、俺もロザリアも同意する。 遺跡……と呼ぶには、生々しく朽ちていく図書館。 なんて言えばいいんだろう。存在が失われていく、緩慢な滅び。
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