剣の主
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No.267
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┗匿名さん
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やがて誰も彼の言う事を信じなくなった。 むしろ侮りや蔑みの目で見るようになった。 そんな周囲の視線に気付いても、彼は嘘を止める事はしなかった。 いや、出来なかった。 虚しい絵空事だったはずの嘘の女性遍歴は、嘘で塗り固めていくにしたがって彼の中で重みを増し、いつしか彼の一部と化していた。 これを否定される事は、すなわち自分の一部を否定される事だ。 そして嘘は彼の中で“真実”となっていった。 だが同僚達の中で彼の話に耳を傾ける者は既に誰もいなかった。 だから彼は新人に目を付けた。 何も知らない純な新人達は彼の話を信じ、尊敬の眼差しを彼に向けた。 それは彼にとっては大変心地良い物だった。 だが、それが嘘だと知れた時、尊敬の眼差しは一転、軽蔑へと変化するのだった。 それでも彼は嘘を止められなかった。 毎年、年度始めの一、二ヶ月間だけが彼にとっての栄光の日々となった。
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