剣の主
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彼は両親が自分の騎士号授与式に来る事など端っから期待していなかった。 王宮に仕える高級武官である父オルハンは仕事命の典型的な仕事人間。 祖父ウマルのような剣の才能には恵まれず、同期の者達からは“無能のクセに根回しとゴマスリだけで出世した”と陰口を叩かれているが、田舎の下級士族に過ぎなかったクルアーン家を士族としては最高位である今の地位にまで引き上げた。 その手腕だけはセイルも評価している。 母ヤスミーンは生まれつき病弱で普段は殆ど寝たきり状態。 彼女を知る双方の親類からは“セイルの妊娠・出産を成し遂げられたのは奇跡”とまで言われている(出産は帝王切開だったが…)。 彼女は中流貴族の次女で、生まれてこの方、労働とか家事とかいう物を一切した事が無く、そのためか外見はセイルの年頃の息子が居るとは思えないほど若々しく美しかった。 セイルはこの両親から、およそ親らしい事をしてもらった記憶が無い。 だが彼自身はそれについては特に不満とも思っていなかった。 小さな頃からそういう風に育って来たからだ。
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