だがその程度は問題にならず、騒ぎを嫌ったヤクザに押さえつけられ車で連れていかれた。
その光景に通報を考えていた住人も関わりを避けて引きこもった。
その後も多田はひたすら掲示板を荒らし煽り続け、息を潜め続けた。
痺れを切らした主婦や老人が錯乱しては拉致され、保護者のいなくなった子供たちも泣きわめいては連れ去られた。
日が暮れれば学生や旦那も帰宅し始め、ほとんどは遠巻きに見ていたが何人かはヤクザに絡んで拉致されていた。
多田は薄暗い中湯を沸かしては、溜め込んだインスタントで腹を満たす。
普段は家族団らんがうるさい団地も静まり返り、ただヤクザやチンピラの気配だけが満ち満ちている。
掲示板によると河原や山林にボロボロの老若男女が転がされていたり、子供や女性の嬌声が近くのビルから聞こえたりと、地味な騒ぎが広がってるらしい。
それでも多田は息を潜め、ただただ嵐が去るのを待ち続けていた。
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