数ヶ月が経ち、
「今回は苦戦続きだったな。」
「でも優勝は優勝よ、おめでとう。」
智恵子に労われるのだが、
「いえ、僕もまだまだって事ですよ。」
哲が遠征先から帰ってくると、
「ただいま。」
「優勝おめでとう。実は大事な話があるの。」
「どう・・・あっ!」
レースを終えて帰ってくると大抵はレースクイーンだった頃の服で出迎えるのだが、
今、身に着けているゆったりとした服装を見て、
「僕からもおめでとう。」
香は一瞬、戸惑うも、
「そ、そうなの。私と哲の子がお腹にいるの。」
「女の子なら親子揃ってレースクイーン姿で出迎えてくれる訳だね。」
「ちょ、ちょっと哲ったら。」
哲は恥ずかしがる香のまだ膨らみの目立たないお腹をそっと撫でるのであった。
(完)
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