――と、そのフィールドに立つ者のほとんどが思った。
それは影介もしかりだ。
だが、一人だけ、例外がいた。山手信友本人である。
「っとに、ウチのクラスは凄いな。逸材がゴロゴロと……」
相手の策で、攻撃の手段が失われているのは三組の選手も分かっていた。
それでも、ベンチ――酸漿戒からの指示は信友へのパスである。
陸上部所属の庄屋亮(ショウヤ アキラ)は自陣ゴール前で奪ったボールを仕方なく、信友へと送った。
正直、女子の観戦が皆無のこの試合に奮起しておらず、ミスもそれは戒の責任だ、と考えたのである。
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