少女は刃先を和紙でふき取り手を離すと瞬時に燃え尽き、少年は虚ろの目だ……もはや医学や化学の領域ではない。
「八百万の神々よ、彼に今一度の世の環の中へ……ご加護を」
それは死者を送り出す詞である。少年は一瞬安らかな顔を浮かべて瞳を閉じた。
「姉様、討ちます」
「……」
馬上にて小柄な巫女少女は自分の背丈程ある和弓を矢を持って構えており、全身から淡い光が溢れている……彼女が視ている先にはヒステリー状態の女帝龍が瞳に投影されている。
「色情魔退散!!!!」
夜を切り裂くかと言う声と同時に矢を放つと消えた……そして女帝龍の右頬を掠めた!
「あら小夜……あなたも怖いわね」
少女は笑う。
「おのれぇええええええええええ!」
森の奥深くに陣取っていた女帝龍は先程まで超遠距離狙撃をすべて回避したが全裸は擦り傷だらけだ、必死になって静止させる赤龍と青竜を傍らから見た白竜は思う……ここで挑発に乗れば彼女達の思うつぼだ。
「やけ食いは目を瞑っておくか」
白竜は転送術を唱える。
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