「産気づいたの、いつから?」
「ここに来てすぐだよ。でもまだ出て来る気配がないから、双子かも」
「双子かあ。どうせなら4つ子か5つ子だといいんだけど」
「それくらいじゃないと、男の子が生まれてこないもんね〜」
成士の言葉に苦笑するクラスメート。
男が1人しかいない現状、男の子を作ることは村の急務であり、成士の使命とも言える。
驚くべきは、そんなに仕込まなければ男の子が生まれないという可能性の低さか、それほどの数を仕込むことのできる琳月村の男の精力か。
とにかく2人が出産するまで、まだ時間がかかりそうである。
時間は有限である以上、2人の出産を促すべきか、それとも新しい子供を仕込むか。
村唯一の男として、成士は難しくも贅沢な選択を迫られることとなった。
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