絶叫を上げた途端、詩織はガクッと首を垂らした。
「詩織!」
直人は詩織の両肩に手を掛け、顔を近付けた。
「…ナ…オ…くん…」
詩織は蕩けた表情で直人の顔を見つめ、かすれた声で囁いた。
「結奈」
直人は結奈に目配せした。そして、暗示マシンが傍に置かれた。そのマシンの本体にはヘッドホンとマイクがコードでつなげられていた。
結奈が詩織の頭にヘッドホンを付けると、直人はマイクを手に取った。
「よし!スイッチオン」
直人が掛け声を発すると、結奈はすぐ様マシンのスイッチを入れた。
直人はマイクの先を口に近付け、正面から詩織の顔を見つめる。
「詩織、詩織…聞こえるかい?…僕だ。直人だ…」
詩織に向かって呼び掛ける直人。その声は暗示マシンを介して詩織に伝わる様になっている。
「は、はい…」
ぼんやりとした表情で応える詩織。
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