「っ、あ、ああ。こっちこそ」
邪気の欠片も見えない笑顔で差し出される手を一夏はあわてて握った。
「女子校の環境下で男子一人ってずいぶん苦労したことだろうね」
「……まあな」
現に今絶賛苦労しているし。
「今回の視察、どれくらいの期間に及ぶかは未定なんだけど……まあ仲良くやろうよ」
「おう、よろしくな白鳳院」
「ショウでいいよ、お兄さん」
友好的なショウの態度に、一夏はチャンスとばかりさり気なくうかがってみる。
「なあ、ショウ。お前、箒たちとはどんな関係なんだ?」
「ん? 説明されてないのかい?」
けげんな目をするショウに、シャルが両手を合わせてウィンクした。
「ごめんね。ショウの口から直接言った方がいいと思ってさ」
「ふーん。ま、そっちのが『効果的』かもね」
ショウは意味ありげにそうのたまうと、ぴゅーっと合図をするかのように口笛を吹いた。
するとショウと一夏のやり取りを静観していた箒、セシリア、シャルロットが動き出した。
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