カトウの部隊は海岸の陣地を放棄して後方の森林地帯に退いた。
C国軍は深追いは危険と考えたのか、追撃はして来なかった。
「カトウ三佐、本日の戦闘で我々は兵力の約半分を失いました…」
片目を眼帯で覆ったハヤマ一尉が報告する。
彼女は衛生兵から傷の手当てを受けると、すぐに任務に復帰した。
「クソッ!あいつらさえ来なければ……いや、よそう。彼女達も半数以上やられたんだったな。一尉、君は後方へ下がれ。その傷では戦闘は難しいだろう」
「いえ、私は大丈夫です!まだ戦えます!どうかお供させてください!」
「そうか…解った!だが無理はするな」
「はっ!」
士官は少ないので正直ありがたい。
一方、海岸部を占拠し橋頭堡を築いたC国軍は、更に内陸部へと侵攻すべく準備を始めていた。
「カトウ三佐!!勝手に陣地を捨てて後退するとは一体どういうつもりだ!?誰が退却の許可を与えた!?」
後方の連隊司令部ではホンダ一佐が真っ赤になって怒っていた。
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