その時、男の懐から一枚の古びた絵が落ちた。それは小平太の亡き恩人、龍之介の描いた海図であった。地図の端には、「伝説の漁場」という走り書きがあった。
小平太は思い出した。
十年前、龍之介は豊かな漁場を求めて単身出航し、その後消息を絶った。
村では、龍之介は欲に目が眩んで無謀な航海に出たのだと噂された。しかし小平太だけは信じていた。必ず何か理由があったはずだと。
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