「誰か、来たりしませんか?」
「この時間帯なら大丈夫、それより…下着もちゃんと着替えてね。チェックするから」
「はい」
「そろそろいい?ドア開けるね」
朱香に取っては無駄に長い時間でも、少年にとって初めての女装の時間は葛藤なども含めると駆け足でめまぐるしいものだった。
「男の子の服はその袋の中?」
「はい」
「じゃあ、あたしが持っといてあげる」
「でも」
「いいから、鏡の前に来て」
彼女は強引に手洗い場の鏡の前に少年を立たせる。
「まるで、本当の女の子みたい」
「…恥ずかしいです」
「やっぱり髪型よね。コレ被ってみて」
朱香は仕上げとばかりに少年にウィッグを被せる。その髪型は朱香よりも少し短くて初々しく見えた。
「…」
「いい感じ、まるで姉妹みたい」
「本当に?」
「じゃあ、これから電車にのるよ」
「えーっ?」
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