真澄さんの家は村の端にあった。門をくぐると、大きな庭と古びた木造の家が広がっていた。夕方の赤い陽射しが軒先に差し込み、庭を包む竹垣が静かな影を落としている。僕は真澄さんに抱えられながら、どこか落ち着かない気持ちでその光景を眺めていた。
「ヒロ君、ここがしばらく君の家になるわよ」
真澄さんが微笑みながら僕を下ろし、そのまま手を引いて家の中へと案内してくれた。
玄関に足を踏み入れると、木の香りが鼻をくすぐった。
「さ、こっちよ」
真澄さんに手を引かれ、奥の座敷に案内された。
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