「隅谷はそこに座ってろ」
カウンターキッチンの向かい側に座らさた私は、浅野の見事な手さばきを見ることになった。
「すごい・・」思わず声を上げた私に浅野は照れたように言った。
「ウチのお袋ほとんど家にいないんだ。だから自然と覚えちまったのさ。」
「お母さん、何しているの?」
「ん?お袋の仕事?・・アレだよ」浅野は壁に掛けられたフォトフレームに向かい顎を動かした。
「え?・・・」
フォトフレームの中で涼やかに笑っている女・・・
それは、私も知った顔だった。
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