高鳴る心臓を押さえながらも自室に戻った香奈は“クスっ”と笑った。
結果的には劉の手を借りながらも、乱のモノを見れたことは、照れくさくはあっても、後味の悪さを感じることはなかった。
増しては、くりくりとした眼でニッコリ口元を上げる可愛らしい落書き…
この先男性器を見た時に、必ず蘇ってきそうな、そんな苦笑混じりの思いだった。
香奈は、こんな暖かい気分に浸ったことは今迄に一度もなかった。
男兄弟がいたとしたならば、こんな感じなのだろうか?と思えた。
香奈の中で、間違い無く乱は長男で、同い歳の劉は弟という存在だった。
それでもお兄ちゃんの昂りに興味を抱き、ソレを握った妹など存在しないだろうと思え、それならば兄弟で無くて良かったとすら思えた…
どちらにしろ、香奈はこの家での初日に迎えたこの数時間を、充分に楽しんだことには間違いなかった。
そして何より…親と一緒にいたならば、知る事も無かったであろうこんな自分自身と出会えたことが、嬉しかった…
↑に続く文章を投稿して下さい
©2002-2024 PIPI's World 『投稿小説』 All Rights Reseved. | 投 稿 小 説 |