「クソ!どうして俺がこんな目に!」
左遷されてから半年。
社長や藤田姉妹への恨みと会社への憤りを抱えながらも、辞める踏ん切りが付かず、今日も一杯の酒に癒しを求めて酒場を梯子していた俺は、何件目かに入った酒場で奇妙な男に出会った。
「オイ……その女たちが憎いなら復讐してやったらどうだ?」
「復讐?オイオイ、俺に犯罪者に成れってのか?」
俺とて復讐してやりたいのは山々だが、その代償に人生を棒に振るのはどう考えても割に合わない。
何せ左遷されたといっても天下の重臣FJグループ社員。
給料は相場の倍以上貰っているし、一応それなりに名の知れた大学を卒業している俺は、社会的には間違いなく勝ち組なのだから。
「安心しろ。俺と契約を交わせば警察に捕まるなんてことは無い。それどころかお前はゆくゆくは重臣FJグループの社長にまで上り詰められるだろうよ」
余りにも胡散臭い話で、こんな話に乗るなんてどう考えてもバカげている。
だが、その時の俺は酒の勢いもあり、その男と契約を交わしてしまった。
そして手に入れた。催眠という夢のような力を。
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