男性は高次を先導し、公園の裏へと回り込んでいく。
茂みをかき分けると、やがて小さな穴が見えてきた。まるで、タヌキやウサギが通るような小さなトンネルだ。
「ここを抜ければすぐ海に出る。早く行きな」
男性はそう言うが、このトンネルが海と繋がっているとはにわかには信じ難い。
「本当に海に出るんだろうな?」
高次は不安を拭いきれない。
「心配するな、ほら」
男性は高次の背中を押す。仕方なく、高次はトンネルに潜り込んだ。思った以上に狭い空間で、四つん這いになりながら進むしかなかった。そして、暗闇の中をしばらく進んでいくと、ようやく出口が見えてきた。
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