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華が香るとき〜外伝〜
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華が香るとき〜外伝〜 31

「はい。おしまーい! 集合してください!」
その声を聞いた不良達は掃除の手を止め、フラフラと貝丞の近くに集まった。洋介もまた、動かなくなったケンジを床に放置して、貝丞の方に歩いていく。
「ええ、皆様。清掃作業はこれで終了です。本当にお疲れ様でした!」
「「ああ……」」
貝丞の声を聞いた不良達の間に、どっと安堵の空気が流れた。一人が勢い込んで質問を発する。
「じゃ、じゃあ、俺らこれで勘弁してもらえるんですか?」
爽やかな笑みを浮かべて、貝丞は答えた。
「ええ。半殺しで許してあげますよ♪」

(惨劇が発生しております。しばらくそのままお待ちください)

まさに極悪非道な話である。この不良達はその後、二度と学校に出て来ることはなかった。だがそんなことは、洋介達にとって南極にいる蚊の産卵時期よりどうでもいいことである。血達磨になった男達を旧校舎の外に投棄した彼らは、改めて建物の中をチェックすることにした。
「床が汚いな。あいつら、拭き掃除もできないのか」
「貝丞。それ、さっきの連中が漏らしたんじゃないか?」
「あっ、そうか。道理で臭いと思った」
もっとも洋介としては、貝丞の暴行の爪跡を差し引いてもまだ清潔感が足りない気がした。
あちこちに埃が溜まったままだし、落書きの類も相当残っている。快適なオナニーライフを送るためには、それなりの環境が必要なのだが……
しばらく中を歩き回った後、洋介は貝丞に持ちかけた。
「俺達で、もうちょっとやらないか?」
「まあ、そうするか……」
そこで二人は不良達が使っていた道具を手に取り、分担して掃除を始めた。そして翌朝、旧校舎の内部は新築同然の見てくれを取り戻したのである。だったら始めから二人でやれよという周囲の声に、彼らが耳を貸さなかったのは言うまでもない。

さて、月倫高校の規則では、部活動は三人以上の部員がいないと認められなかった。いくら苦心の末に部室を確保しても、三人目を見つけないと活動はできないのである。
「さて、どんなやつを探そうかね?」
掃除騒動の数日後、放課後の校内を散策しながら、洋介は貝丞に問いかけた。どういった人物を三人目の部員として迎えるか。まずその方向性を絞り込まねば、探し始めることはできない。
「そうだな……」
一度言葉を切り、少し考えてから、貝丞は答えた。
「世界に冠たる平凡な高校生の俺としては、一風変わった人間に入ってほしいと思う。それもできれば、とびきりの傾奇者(かぶきもの)がいい。そうすれば活動内容にも、幅が出ることだろう」

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