異端児カラス-4
「ヤマトが―――好き……」
ねえヤマト―――。
私の恋はどこで間違えたのだろう。
どこからリセットすれば、
私はヤマトと幸せになれたのだろう。
ヤマトが好き。
こんな当たり前のことを、私はあなたに一度も言ってあげられなかった。
ヤマト。
ずっとあなたが大好きだった。
もっといっぱいいっぱい
言えばよかったね。
私はヤマトが好き―――
本当に大好きだよ―――。
泣きながら何度かうわごとのように繰り返した時、不意に温かい腕が背後から私を強く抱きしめた。
「―――!?」
「……名前で呼べって、言うたやん……」
耳元で囁く、いつもと変わらない優しい声に、胸が切なく締め付けられた。
「……ヤ……マト……」
ヤマトの頬が私の耳に触れ、そこからじわっと温もりが染み込んできた。
「……そんなメールで……俺が納得するわけないやん」
「……………」
「……叔父さんとのこと……雪乃から聞いたで……」
何の前置きもなくいきなり言われ、覚悟はしていたつもりだったけれど、胸がズキリと痛んだ。
「私……許してほしいなんて……思ってないから……」
背中越しに伝わってくるヤマトの温もりに甘えてしまいたくなる。
本当は許してほしいとすがりつきたい。
「……悪いけど……俺……許すつもりないで……」
「………え……?」
思いがけない冷静な声。
ひょっとして……
ヤマトは私に直接別れを告げるために、ここに来たということなのか……。
ショックで指先が震えているのがわかる。
本音はどうであれ、ヤマトはきっと私を許してくれるはずだとと期待していた。
思いあがりもはなはだしい。
自分で自分を嘲笑いたくなった。