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異端児カラス
【学園物 官能小説】

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異端児カラス-11



口の怪我が痛々しいから、いつもより軽いタッチの甘えるようなキス。


唇を軽く触れ合わせて、お互いの吐息を感じながら舌先だけを絡めあう。


なんだかいつものキスよりエロティックな気がして、そのもどかしさが逆に欲情を高めていく。



「……ひ……博美……」


緊張しているのか、ちょっと噛み気味なのが可愛い。
だけど、初めて呼ばれた名前は、思った以上に胸に深く染みこんだ。




「……彰吾……」




「……博美……」




名前を呼び合うだけで、とても幸せな気持ちになれた。


ヤマトがポケットからコンドームを取り出した。


いつも少し慌てた感じで、ヤマトがそれを装着する姿を見ると、愛されてるんだなぁと実感する。


叔父は「外に出してやるから」と、一度もコンドームをつけてくれたことはなかったから、私はいつも妊娠の恐怖に怯えていた。


「……博美……大好きや……」


ヤマトは私の下着を手早く脱がすと、両足を持ち上げて濡れたヴァギナにはち切れそうな先端を宛てがった。


いつものようにじゃれ合う余裕もなく、私たちは純粋にお互いを欲している。


早く一つになりたかった。


「もう……入れてエエか?…」

「……うん……」


ミチミチと肉を押し拡げながら、ヤマトが私の中へ入って来る。


「……んんっ……はあっ……」


一番奥までグウッと入った瞬間、快感で声が漏れてしまった。



私の中がヤマトでいっぱいに満たされたような幸福感が私を包む。



もっとヤマトを感じたくて、私はきゅっと膣に力をこめた。


「……うぁ……むっちゃしまる……」


中でヤマトが――ビクン――と大きく脈打つのがわかる。



「……もう…イきそうや……」



我慢が出来ないという表情で、すぐに腰を動かし始めるヤマト。


いつもは色々な愛撫で私を満足させようとするのに、今日のヤマトは、ただがむしゃらに私を求めているのがわかった。


その一途な気持ちが伝わるからか、私自身も不思議と今までの丁寧なセックス以上に気持ちがいいと感じている。


「あっ……ああっ……きもち……イ……」


「アカン……そんなん言うたら……イってまう……」



徐々に速くなるヤマトの動き。


下半身がぶつかり合う微かな音と、次々溢れだす粘液がかき混ぜられる音がせまい部室に反響する。


「彰吾……す…好き……あっ……はあっ…だ…大……好…き」


今感じている思いを、とにかくヤマトに伝えたくて。
全身を駆け巡る快感の中、私は一生懸命気持ちを言葉にした。


「……俺も……ハァッ……博美……愛…て……るっ……ううっ…!」


私の名前を口にした途端、ヤマトが私の中で急に膨張して、次の瞬間、ドッと弾けた。


放出感をしっかり感じとろうとするように、ヤマトが私の身体にしがみついて、ぴったり密着する。


私も目をつむって、ドクンドクンと私の中で脈打っている愛しいヤマト自身に気持ちを集中させた。




愛している―――
心からそう思った。



「……俺は…お前やないと…あかんねん……」


ヤマトの優しいキスがそっと額に落ちてきた。


部室の小さな窓を見上げると、あんなに激しかった雨はいつの間にかあがっていて、燃えるような夕焼け空に二羽のカラスが飛んでいるのが見えた。






ねえ彰吾―――
私は異端児カラス。


私の羽は
フラミンゴのように
キレイな色ではないけれど


私の声は
カナリヤのように
愛らしくはないけれど


私がカラスになったのは
きっとあなたに
見つけてもらうため。


あなたが見つけてくれるなら
カラスも悪くない―――。






END




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