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異端児カラス
【学園物 官能小説】

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愛の形-5



私とヤナは
きっと似過ぎている。



ヤナが私を好きで、私もヤナを好きなのは、自分と似た人がそこに存在するというだけで『私は独りではない』と思えるからだと思う。



それは『恋愛』ではなくて、
『自己愛』ではないだろうか。






すぐに群れを作りたがる女の子たちを、私は心のどこかで軽蔑していた。


だけど今は
少しだけその気持ちがわかる。


誰もがみんな
『独りは寂しい』と
思っているのだ。



ヤナも本当は、ずっと孤独だったに違いない。



私はその孤独に寄り添うことは出来ても、その孤独からヤナを救い出すことは出来ないだろう。


ヤナを救えるのは、ヤナの良さをよく理解して、その良さを生き生きと発揮させてくれる人物――――それはつまり――――「ヤマト」というかけがえのない親友なのだ。



ヤマトの優しい笑顔が頭に浮かんだ。
彼を失いたくない――――と、素直に思えた。



「……ヤナ……私を好きになってくれてありがとう」



思いがたくさん溢れて来たけれど、私はやっとそれだけ言って、いつの間にか涙で濡れていた自分の頬をぬぐった。



ヤナの大きな手が、私の髪をゆっくり撫でてくれる。


ヤナの手は、兄か父親のような優しい手に戻っていた。



ヤナがいてくれて私は本当に救われた。



過去の哀しい虐待の事実。


その闇はあまりにも深すぎて、私は今まで誰にもそれを打ち明けられずに、ずっと独りで抱えこんでいた。


ヤナには話すことが出来たけど、たぶんこれだけは―――ヤマトにも絶対言えないと思う。






そこまで考えて、私はハッと気付いた。






「………ヤナ………私の………過去も……雪乃さんに調べられてたり……するのかな……」




今ヤナから聞いた話から考えれば、私と叔父の『忌まわしい関係』は、雪乃にとって格好のネタになるに違いなかった。




すがるようにヤナを見上げると、ヤナは困り果てた表情で唇をぎゅっと噛んでいた。



「多分、今日ヤマトは……そのことで呼び出されてる……」






全身から一気に血の気が引いていくのがわかった。



ヤマトに
知られてしまう――。
あの忌まわしい出来事を。



初めて私を抱いた時、ヤマトは私が処女ではなかったというだけでもひどく傷ついていた。



その相手が私の実の叔父で――しかもその関係が一度や二度ではなかったと知ったら、彼はどれほどショックを受けるだろう。



汚れた私の身体に、触れることすら出来なくなってしまうかもしれない―――。




消せない過去。
深すぎる闇。




………ヤナ。
今ならあなたの『あの言葉』の本当の意味がわかる。




『セックスに意味なんてない』




ヤマトがそう思ってくれたら
どんなに救われるだろう。






END




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