嫉妬-3
二人きりになって急に部屋が静かになった。
考えてみれば相原が俺の部屋に来たん初めてやな――。
それがこんな最悪な雰囲気になるとはつくづく情けない。
相原はじっとうつむいたまま座っている。
「お前……最近ヤナと仲ええやん」
俺は我ながら最低の言葉を相原に言った。
「……ヤナを……文芸部に入れたのはヤマトじゃない」
ずっと黙っていた相原が初めて口を開いた。
相原が何を言ったかよりも、待ち焦がれた相原の声がやっと聞けたことを馬鹿みたいに喜んでいる自分がいる。
ほんまアホやわ……俺。
どんだけこいつに惚れてんねん。
「……そんなら部活以外に一緒にいる必要ないやん。なんでいちいち一緒に帰ってくんねん」
下らないことを言っているのはわかっている。俺は今、ただの駄々っ子や。
自分でもなんでこんなにイライラしてるんかわからへん。
この訳のわからへん不安は何なんや―――。
「ヤマト変だよ。子供みたい」
相原が呆れたように言う。
なんとなく、大人っぽい雰囲気のヤナと比較されたような気がしてまたしゃくに触る。
「ヤナも私も、ヤマトが心配だからお見舞いに来ただけじゃない」
相原がヤナをかばうようなことを言うから俺はますますカチンときた。
「お前――誰の味方やねん!」
俺は相原の腕を勢いよくつかんで床に押し倒していた。
熱で頭がガンガンする。
「いやっ……何……」
抵抗しようとする相原の上に覆いかぶさり強引に唇を重ねる。
相原は眉間にシワを寄せて顔をそむけようとするが、構わず頭を押さえつけて可憐な花弁を無理矢理貪った。
この唇が二度とヤナの名前を口にしないように俺で埋めつくしてやる。
相原の口の中の僅かな隙間にも全部俺を詰め込んでしまいたい。他の男がもう誰もキスできないように。
「ヤマト……やめてっ…こんなの嫌だよ」
相原が激しく俺の下でもがく。
嫉妬の渦に飲み込まれて俺は自分で自分を止められなくなっていた。
いきなり相原のスカートを捲りあげて、濡れていない秘裂を下着の上から強くこすりあげる。
「痛っ……痛いよ……やめて」
『痛い』という言葉が俺の加虐心に火をつける。
相原を支配したいという薄汚れた欲望と、全力で守ってやりたいという純粋な気持ちの間で俺の心が悲鳴をあげていた。