投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

夢を持つってこと
【コメディ その他小説】

夢を持つってことの最初へ 夢を持つってこと 0 夢を持つってこと 2 夢を持つってことの最後へ

夢を持つってこと-1

忙しなく掃除をしている男どもとは対照的に、初老の男を見つめる女達はどことなく寂しげだった。

「男を立てろ」
「・・・」
「男を勃たせろ」
「・・・」
「男を愛せ」
「・・・」
「誇りと言う名の快楽を知れ」
「・・・」
「世の男はお前等を本気で愛してはくれまい。それも結構、愛されようとするな。怠慢になるからな」
「・・・」
「うむ、そして世の女はお前等を蔑むのだ。程度もプライドも低い安い女だと」
「・・・」
「だが、お前等のプライドは並の女より数倍高いか、数倍低いはずだ。ことセックスに関しては。最中男に預けたプライドは、情事の後、その形や重みが変化されて返ってくるのだから」
「・・・」
「忘れちゃいけない。お前等を抱いた男、これから抱く男、全ての男に変化されていく、代わりに得るのは、何だろうな?きっとそれは、良くも悪くも大きな物だろう」
「・・・」
「誰にどう思われようと、自分がどうなろうと、這いずりまわったその中で何かを手にすりゃいい」
「・・・」
「あ、駄目になってもくじけても男の所為にはしないであげて。それが結果で、責任なんだから。ま、こればっかりはね・・」

初老の男が話し終わると女達は涙ながらに万歳を贈った。
男の苦労を少しでも知っていたし、日頃から男の夢を聞いていたから。
「じゃあ、行くぜっ・・あばよ!」
目頭に集まる涙を指の先で軽く押さえ、今だ鼻声で万歳を唱える軍団に背を向けると、男は歩き出した。
初老の男をそうして見送った後も女達は抱き合いながら、お互いを慰めあったりなんかしている。
長い演説の間に掃除を終わらせた男どもは、店の隅からその光景をただただぼんやり見ていた。

「二店舗目オープンするだけなのにな・・」
「うん・・明日も明後日も毎日会うのにな」
その頃男は、二店舗目オープンの為の最終打ち合わせをするべく業者との待ち合わせ場所へらんらんと向かっていた。


夢を持つってことの最初へ 夢を持つってこと 0 夢を持つってこと 2 夢を持つってことの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前