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非線型蒲公英
【コメディ その他小説】

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非線型蒲公英 =Fortsetzung zwei=-1

「ああああああああああああああああッ!!」
 俺は居間のソファーに横になって叫んでいた。
 あの後、やたらと機嫌が良くなったひよちゃんを家まで送っていって、でも始終無言で、別に何も無くて。
「うおおおおおおおおおおおおおおおんッ!!」
 ひよちゃんのいきなりの告白と、自分の不甲斐なさに、平静ではいられなかった。
「煩わしいわ、黙りなさい」
 サリィを膝に乗せてテレビを見ている姉さんが言い放つ。が、
「なぁぁぁぁあああああああああッ!!」
 黙っていられる程、冷静ではない。
「ヘクセン、黙らせて」
「ええ、ええ!! どうせ私は道具ですよ!! ならば道具として!! 今は弟様を黙らせるのが私の存在意義!! 使われる事に快感を感じるまで自分を貶めてやるッ!!」
 卑屈さが500%程上昇しているようだった。
「喰らうがいい!! 最終決戦用オプション!! エレクトロシュヴェルト!! 今宵の私は残酷ですわよッ!?」
 言って、両手首の辺りから、刃渡り40センチはあろうかという、火花をバチバチと散らす刃を出した。人間が接触したら、多分、即死する。
「ああ、そうそう、その面白半分で付けた電気剣、エネルギー消費が異常だから、今すぐ使うのを止めないと機能停止するわよ」
 ヘクセンは、言われてすぐさま剣をしまった。が、既にかなりのエネルギーを消耗してしまったようで、酸素を取り込んでエネルギーを確保しようと、呼吸が荒くなっている。
「はぁ、はぁ、こ、琴葉様ァッ!! 何でそんな物が私に搭載されているんですか!?」
「別に、使わなければいいのよ」
「ふがぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああッ!!」
「ああ…全く…聡、久しぶりに、アレを喰らいたいのかしら」
「あああああっ!? あ、アレ!?」
 アレ。恐怖のアレ。一撃必殺のアレ。喰らったら最後、三日三晩苦しみ喘ぐ事になるアレ…。
「そ、それだけは嫌だァァァッ!!」
 一瞬で、恐怖が全ての感情を上塗りした。
「だったら、少しは黙って頂戴。というか、叫ぶ元気があるのなら、妃依に電話でも掛けてみたらどう? フフ…」
 うわあああ…聞かれてた…絶対聞いてたよ…この人…。
「ちなみに、弟様!! ベランダでのマスターとの会話は、一部始終!! 細大漏らさず!! 完全版として私が保存しておきましたから!! 聞きたくなったら私に一言、言ってくださいませ!! すぐさま再生しますよ!?」
「き、貴様もかァァァァッ!!」
『…先輩…私、先輩の事、好きです』
 突如、ヘクセンの外部出力スピーカー(耳です)から、ひよちゃんの…こ、声が…。
「馬鹿!! よせ!! 色んな意味でマズイ!!」
「ふっふっふ…!! いいですか、弟様!! もしも、この音声が突然、校内放送で流れ出したら…どうしますかあ!?」
「なっ…!! へ、ヘクセン…貴様!!」
 脅しているのか…。
「やだなあ、弟様!! そんな事、する訳無いじゃないですか!! ふっふっふっふ…!!」
 こ、この棒が…!!
「何が、目的だ…」
「私を道具扱いしている事が気に入らないなんて、ちっとも思ってませんよ!? ええ、ちっとも!!」
「クソ…それを流したら…どうなるか、本当に貴様、解ってるのか?」
「ふっふっふ…さぞかし見ものでしょうねぇ…!!」
「って言うか、お前…怒り狂ったひよちゃんに(以下、検閲により削除)」
「…い、イヤアアアアァァァァァァァァッ!! それはイヤアァァァァァァッ!!」
「黙るつもりがないのなら…本気で、怒るわよ?」
 言葉の圧力により、場は一瞬にして沈黙。
 それから、俺もヘクセンも一言として言葉を発することが出来ず、葬式のような空気の中、ドキュメンタリー番組鑑賞と相成った。
 地獄で拷問を受けているような気分だった…。


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