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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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黒い魔獣-7

『………ベルリア?』

 食後のお茶を飲み始めた頃、鏡からミヤの声が聞こえ、キャラは慌ててソファーの後ろに隠れる。

「やあ、ミヤ。久しぶりだね、相変わらず綺麗だ」

『やだ……ベルリアったら……』

 鏡から聞こえるミヤの甘い声に、キャラの腕にぶわっと鳥肌が立った。

『いったいどうしましたの?連絡は週1回の約束でしょう?』

「あのね、実はアースが魔獣のハーフってわかってね。そちらの守護神に話が聞けないかなあって思ってさ」

『……はい?……』

 アースが魔獣ハーフなのも驚きなのだが、守護神が魔獣だとわかっているらしい態度にミヤは怪訝な顔をする。

「上級魔獣は金目なんだって。アースって魔力使う時金目になるだろう?それでわかったんだけど……その話をゼビア国王にしたら『ファンの守護神が金目だった』って言うから、もしかしてって思ってさ」

 ベルリアはキャラの事には一言も触れずに状況を説明する。

『いえ…でも、そんな簡単に言われましても……』

 急に守護神と話をさせろと言われても困る、とミヤは渋る。

「ミヤ……頼む」

『でも……』

 ベルリアのお願いにも動かないミヤに、ベルリアを押しのけて割り込んだ国王が言う。

「儂からの依頼でも無理かな?」

『ゼビア国王!』

 突然現れた国王に、ミヤは驚いて両手を口に当てる。

『まあ!いらっしゃるなんて知らずにはしたない格好で申し訳ありません』

 国王もお忍びなので平服なのだが、あえて堂々とした態度をとる。

「いやいや、どのような姿でもミヤ殿はお美しい」

 ハッハッハと笑いながら歯の浮くようなセリフを言う国王に、話を進めろとキャラは丸めた紙を投げつけた。

「て」

『?』

「いやいや、それで?オーウェン殿に取り次ぎは出きるかな?」

 国王は軽く頭をさすって、ごまかすように言う。

『それでしたら聞いて参りますわ……無理でしたら諦めて下さいませね?』

 ミヤはそう言うと鏡面から姿を消した。

「うわあ……国王に負けた気分だなあ」

「へっへっへ、俺様の魅力に落ちねえ女ぁいねぇんだよ」

 国王はキャラに振り向いて、ウインクして見せる。
 キャラが苦笑いを返し、アースを見上げると……案の定、目が金色になっていた。


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