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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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黒い魔獣-4

「「読めん」」

 古代文字で書かれてあるものを見た瞬間、キャラと国王は読むのを諦めた。

「ええと、『上級魔獣の特徴は、なんと言ってもその金の目の色だろう』…………はぁ?!」

 2人にもわかるように声に出して読んだアースはベルリアに目をやる。

「どうやらお前は魔獣みたいだな」

 あまりの事実にアースは頭の中が真っ白になる。

「いやいやいやいや、それはねぇだろ?母さんは普通の人間だったし……魔力さえ持ってなかった」

 10歳までは一緒にいたのだから間違いない。

「うん、だからハーフなんじゃないかな?」

「ハーフ……」

 父親が人間じゃなくて異世界の魔獣。

 人間にしては強力な魔力も、それを使う時金色に変わる目も、これならば説明がつく。

 キャラは茫然とするアースの腕に手をやり軽く握る。
 アースはそれに自分の手を重ねると息を吐いて話を続けた。

「今まで何もなかったのはなんでだ?」

「魔力提供のせいだろうな」

「ああ……なるほど」

 キャラに会うまで月に2回魔力提供をしていたので、ガッツリ魔力が貯まる事などなかったのだ。

「じゃ、また魔力提供するとか、魔力を使うとか……」

「う〜ん……魔獣の部分が自我を持ち始めてるみたいだから、焼け石に水じゃないかな」

「自我?つう事は……魔獣の俺が勝手に動いてるってわけか……」

「この本によるとハーフってのは、大抵魔獣の魔力に人間の体が耐えられずに内側から喰われるらしいよ」

「う〜わ〜悲惨……」

 自分の事なのだが、内側から喰い破られる所を想像してしまったアースは嫌な顔をする。
 キャラは握っていたアースの腕を強く握り直す。

「……何とか……なる?」

 キャラには珍しく不安げな表情でベルリアに聞く。

「うーん……この本には書いてないなぁ、なんと言っても前例がないし……それこそ魔獣本人?とかいれば聞けるかもしれないけど……」

 キャラはふと思い出した事を話す。

「あのスネークのザギも……魔獣だったんだな」

 だからアースを見た時様子が変だったのか……。

「ぐあっ!生け捕りにすれば良かった!!」

 今更後悔しても遅いが、生かしておいたなら色々聞けたかもしれない。
 しばらく悶えたアースだったが、しょうがないかとすぐに諦めた。


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