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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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黒い魔獣-29

 本当に偶然が重なってできた奇跡だった。
 普通、魔獣ハーフが食い破られるのが、平均で15歳ぐらいなのだが、アースは10歳からベルリア達に引き取られて魔力提供をし、魔導師として訓練もしたので魔力の扱いが上手かった。
 魔力提供を終えたのが体力的にも精神的にもある程度成熟した25歳だったのも良かった。
 その魔力提供の理由である分離の魔法陣を使える魔導師がいたというのも最高の巡り合わせだ。
 そして、キャラの存在が一番のポイント。
 ゼビアからかなり離れた場所にあるファンから召喚師が、しかもこのタイミングで来て魔獣ハーフ本人と惹かれ合うなど運命としか言えない。

 結果的にアースは何も変わらなかった。
 溢れでた魔獣部分が切り離されて独立しただけで、アースが魔獣とのハーフだと言うのも変わらない。
 変わった事と言えばアースの目だ。
 今までは魔力を使う時だけ黒から金に変化していたのだが、今は右目が黒、左目が金のオッドアイになった。



 アースが目覚めてから2日目の夜、キャラは忍びこむように病室にやってきた。

「どうした?1人寝は寂しいか?」

 キャラに気づいたアースは、こっちに来いと布団を捲る。
 キャラは素直にアースの横に潜り込んできた。

「……明日……ファンに帰る」

 寂しそうに小さな声で伝えるキャラの肩を抱いて引き寄せる。

「そうか……迎えに行くから待っとけよ」

「うん」

 答えたキャラはアースに腕を回して強くしがみついた。
 アースはキャラの髪を梳いて感触を楽しむ……風呂あがりなのか、今は髪を結んでいない。
 湿り気の残るその髪を首辺りでキュッと掴んで軽く引き、キャラに上を向かせた。
 しばし視線を絡めた後、唇に視線を移す。
 うすく開いた唇が先を促すように微かに動いた。
 アースはゆっくりとその唇に自分のを重ねる。
 角度を変えたりしながら軽いキスを繰り返し、誘うように舌で唇をなぞるとキャラが舌を絡めてきた。

「ん……」

 キャラの甘い声に一気に火が着く。
 荒々しくキャラを組み敷いたアースは噛みつくような口付けをしながら服を剥ぎ取っていった。

「ふ…ぁん……落ち着けよ……あぅ…」

 躰をよじってまとわりついた服を脱いだキャラはアースの頬に手をやる。

「っは……無理……限界だ……」

 ここ最近は、魔力をもらうためにグロウに譲っている事が多かったので、体的には……まあいいのだが、精神的にかなり欲求不満なのだ。
 風呂あがりの良い匂いのする惚れた女を目の前にして、興奮するなと言うのが間違っている。

「は……んぅっ……あぁっ……」

 キャラの胸にしゃぶりついたアースは、魔法で病室に結界を張り、遠慮なくキャラを鳴かせる準備をした。
 右手で脇腹を撫でて左手は胸を優しく揉みあげる。
 口はもう1つの胸の頂点を捕らえて味わうようにこねくり回した。


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