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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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黒い魔獣-26

「?」

 見るとキャラがアースの左手を枕にして寝ていた。
 目が覚めて初めて見る人物がキャラで良かった、としみじみ思いながら右手でその髪に触れる。

「……ん……」

 少し甘えた声を出したキャラは、しばし考えてからガバッと顔を上げた。
 視線を合わせたまま驚いた表情を見せるキャラにアースは微笑みながら伝える。

「……俺も……愛してる」

 アースの言葉を聞いたキャラの目から、ポロリと涙が落ちた。

「泣くなよ」

「泣くよ……馬鹿……」

 キャラはアースに抱きつくと、その存在を確かめるように首筋に顔を埋める。
 片腕で抱き返したアースはキャラに顔を寄せた。
 泣き顔は見たくなかったが嬉し泣きなら良いか、とアースは軽く笑う。

「どれくらい寝てた?」

「1週間」

 結構長く寝てたな、とアースは驚いた。

「グロウは?」

 離れた記憶はあるが、その後どうなったか気になる。

「昨日、目が覚めた。オーウェンがあっちの世界の方が回復が早いだろうからって言って、今2人であっちの世界に行ってる」

 一度、扉開く事が出来たら後は意外と簡単に開け閉めが出来るようになった。

「喚ぼうか?」

 召喚師としてグロウとは契約したのでいつでも喚び出せる。
 ちなみに、オーウェンとは契約していないが、キャラの扉を自由に行き来できるようだ。

「おう、頼む」

 キャラはアースから離れると目を閉じて、体内の扉を意識した。

「グロウ」

 キャラが喚ぶとフワリと空気が動き、髪が揺れる。
 一瞬、優しい光がキャラを包んだかと思ったらすぐに消えた。

『よぉ、起きたか』

 キャラの後ろからヒョイと現れたグロウは、大きめの山猫サイズ。


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