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今夜、七星で Yuusuke's Time
【OL/お姉さん 官能小説】

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今夜、七星で Yuusuke’s Time <COUNT3>-5

「帰る」と言った椿さんだが、雪は激しさを増し、JRは運休だとテレビが伝えていた。
何をするか、と急に手持ち無沙汰。
今まで、セックス以外の時間は持ち合わせてなかった。だからだろう、何をして時間を潰すかさっぱり見当がつかない。

「やっぱタクシーででも帰るよ」

同じ気持ちなのか、椿さんがおずおずと提案してくる。
いや、そういう気のつかわれ方はイマイチ性に合わない。

「いいよ、危ないだろうし。夕方にはなんとかなるらしいから、ゆっくりしていって」

言ったはいいが、何しよう。
困ったな。泊まらせた後って何すんだっけ。なんか、俺って全然だめだな。



俺はどうしようもなくなってベースに手を伸ばす。
いつも通りに過ごすしか逃げる道はない、と黙って弦を弾く。
椿さんを窺うと、珍しそうに眺めていた。

あんなに全てを投げ出したくて、殻に閉じこもった俺なのに。
指先がベースをなぞった瞬間、ああ癒されたんだと納得した。

それは枯れた草木が雨水を吸い込むように、俺の痛んだ心までが椿さんに癒されたんだと身をもって知る。

静かに指を動かし、ポジション移動をしていくうちにいつもの勘を取り戻す。音階を下っては上り、得意なフレーズも行ったり来たり。テンポを上げ下げし、段々と自分の世界へはまっていく。
アンプから流れる自分の音。渦を巻く音に溢れた部屋の真ん中、自分だけが取り残されたよう。
それが快感。悦に入る。


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