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とある夫婦のカタチ
【若奥さん 官能小説】

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嫁を肉食にしたオトコ-2

「やめていいの?凛のここはやめて欲しくなさそうだけど?」

あの頃と変わっていない感度。経産婦であるとは思えない締まり具合。弱点の耳も、言葉攻めに対する反応も変わっていない。

「もうダメ。帰らなきゃ…」

それでも名残惜しそうな瞳は、ウソではないのだろう。

「そうだな。」

また来てくれ、とは言い出せず攻撃の手を静かに休める。

「聖さん?」

オレの顔を覗き込むように凛が名前を呼ぶ。

「ん?どうした?」

問いには答えず、白くて細い腕をオレの首に絡ませ抱きついてくる。

「…ありがとう。」

聞き取れるか聞き取れないか寸前の小さな声で凛が囁いた。何も答えられず、ただ優しく頭を撫でてやる。

「もう、帰りなさい。」

「ん…。」

頷きながらも起き上がる気配はない。ぎゅっと抱きしめる。

「またおいで。」

「…いいの?」

「凛の家庭が壊れない程度なら。」

一瞬複雑そうな表情をしたが、穏やかに微笑むとバスルームへと消えていった。





それからも職場では一切無駄な話はしなかったが一度だけ他の社員が全員退社したのを確認したあと倉庫で凛を抱いた。その日は凛が幸せそうに夫が作ったという弁当を食べている場面に遭遇したのだ。醜い嫉妬。

「オレ、絶対に凛だけは嫁にしたくないわ。」

凛は背後から抱かれるのが好きだが、お互いに着衣のまま、まして職場でというのは初めてだった。

「この状況で言う必要ありますか、それ?」

職場のせいなのか、会話もどこか普段と違ってよそよそしい。なのになぜかとてもそそられる。必死に快楽をこらえようとする凛の姿は、さらに追い詰めたくなる。凛は夫との夫婦生活、とやらにどうやら満足していないようだった。言葉にはしないけれど身体を重ねていれば感じることもある。それに満足していればオレの誘いにも乗らなかっただろう。
言葉を交わしながら刺激を与え続けていると、耐え切れずに凛が喘ぎ声を漏らした。凛の感じている声が好きだ。が、誰か戻ってこないとも限らない。

「ほら、そんなイヤらしい声出したら誰か来ちゃうかもよ。それとも声ガマン出来ないならこれで終わりにする?」

終わりにできないのは自分の方だ。今この状況で凛がストップをかけたとしても、無理矢理にでも続行させてしまうだろうから、凛がやめないで、と言ってくれたことに心の底から安堵する。

「全く。どうしようもなくエロい奥さんだな。でもそんな凛がたまらなく好きだよ。」

声が漏れぬよう、自分の手で口をふさぐ凛の姿に興奮が激しさを増す。

「私も聖さんが好き…」

ウソでもいい、その言葉だけで満足だ。たとえ、見知らぬ男のものであっても、今この瞬間だけは凛はオレだけのものなのだから…


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