閉店後のフロアで-10
「……どけ…下手くそが…」
精根尽き果てたようにへたりこむ辰巳を押しのけて、川瀬があいりの後ろに回りこむ。
「……アァッ…主任……」
あいりの甘い声は、もはや川瀬の挿入を待ち望んでいるようにすら聞こえる。
感度が高まって少しきつくなっている部分を無理矢理指でこじ開けると、辰巳の肉棒に掻き混ぜられて白く泡立った蜜がとろりとしたたりでてきた。
「……イきたいんだろう……」
川瀬の硬くなった亀頭で、濡れた割れ目を上下にゆっくりなぞられると、あいりの下半身が熱く疼いた。
あの快感をもう一度味わいたい――。
辰巳との生殺しのセックスですっかり熱を帯びてしまった肉体が、刺激を求めて悶え苦しんでいる。
「……イかせてやろう……」
全てを見透かしたように、川瀬があいりの尻肉を左右にぐいっと押し拡げながら、ずぶりと中に入ってきた。
「……あ……ああ……」
辰巳に挿入された時とは違う、鋭く全身を切り裂くような激しい快感があいりを飲み込む。
息つく暇もなく、川瀬の抽送が始まった。
絶妙な角度であいりの弱点を集中的に攻め立てる。
「……ああっ……ああっ……」
辰巳とのセックスでは決して得られなかった麻薬のような陶酔感が下半身を包みこむ。
つき上げられる度にユサユサと揺れる自分自身の乳房の動きさえ快感に感じてしまう。
「……辰巳………これが本当の……藤本の姿だ……よく見とけ……」
川瀬は辰巳に見せつけるようにあいりの背中に覆いかぶさり、背後から手を回して揺れている乳房をきつく揉みしだいた。
「……ああ……あいりちゃん……」
辰巳はこれまで経験したことがないほどの強烈な絶頂感の余韻でぼう然としていたが、目の前の刺激的な光景を見て条件反射のように半立ちのペニスをしごき始めた。
胸を揉んでいた川瀬の手が下半身へと移動し、あいりの茂みの中に潜む肉粒をとらえる。
「……ハァッ……うっ……あああっ」
その裏側をひと撫でされるだけで他愛なく反応してしまう開発されたばかりのあいりの肉体。
その部分を激しく指で擦りながら、川瀬がラストスパートをかける。
小刻みだった腰の動きが荒々しくなり、湿った衝突音が急激に大きくなった。
「あああっ……しゅ……主任…あっ…も……ダメ……ああっ……」
バックから打ち込まれる肉棒の衝撃で、途切れ途切れになるあいりの喘ぎ声。
その震えるか細い声は絶頂が近いことを物語っていた。
「……イけよ……藤本……」
川瀬の冷ややかな命令口調があいりの被虐心を刺激する。
私はこの人に逆らうことが出来ない―――。
そう考えただけで、情けないほど身体が熱を帯びてしまう。
「……ああ……締まってきたぞ……コレが好きなんだろう……」
徐々にスピードを増すクリトリスを擦る指先の動きと、ペニスを打ち付ける腰の動き。
「あっ！……ああっ……いやあああっ！！」
「……ううっ……出すぞっ……」
野獣のような喘ぎ声と共にあいりと川瀬は同時に達した。
あいりの正面で自慰に耽っていた辰巳も再び絶頂を迎え、その白い液体をあいりの顔めがけて放出した。
顔と背中に大量の精液を浴びて、あいりはようやく解放された。
脱がされた制服をかき集め、泣きながら女子トイレに逃げ込むと、今ごろになって全身が恐怖に震えはじめた。
「……うっ……うぅっ……」
泣きじゃくりながらふと顔をあげて鏡を見ると、身体全体がピンクに上気してハッとするほど妖艶な自分自身の姿が映っていた。
清らかでいたいという気持ちとは裏腹に、肉体の奥底ではべつの自分がまだ甘い吐息を吐いている。
『……もっと……もっと……』
と、その声は囁いていた。
END