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「超合体浪花ロボ・ツウテンカイザー」
【コメディ その他小説】

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「超合体浪花ロボ・ツウテンカイザー」-4

「恭子ちゃん、相変わらずおっぱい大きいなぁ…。今、サイズどの位あるんや?映像、保存してパソコンの壁紙にしよ♪♪…」
「いや〜ん」
「って、このエロ親父ぃ一っ!!ええ加減にせいっ!!!」
 こめかみに血管を浮かべ、怒声を上げるひよこ。
 モニター越しとは言え、娘の剣呑な様子に十文字博士は流石に引きつった笑みを浮かべる。
 そこへ、恭子の慌てた声がかかる。
「ちょと、ひよこ!?大変、敵がっ!!」
 慌ててモニターを切り替えると、目の前に巨大な百足エイリアンが迫っていた。
「しもたっ!漫才しとる場合やなかった。…えええい、こんのぉおっ!!」
 身を翻してエイリアンを斬りつけようとするツウテンカイザー。しかし、百足の足に剣を払われ、ツウテンカイザーは敵に巻き付かれてしまう。
『グゥウウオォオオオッ!!?』
 強力な力に締め上げられ、苦悶の声を上げるツウテンカイザー。
「くそ、どないしたらええんやっ!」
 身動きが取れないツウテンカイザーに、ひよこは焦りの声を上げる。そこへ、十文字博士が再びモニターに姿を現す。
「ひよこ、分離せいっ!!」
「そ、そうか!ツウテンカイザー、ドッキングオープンッ!!」
 ひよこの声と共に、ツウテンカイザーは二体の野獣メカに分離する。百足から離れ、咆哮を上げる猛虎ツウテンタイガー、猛牛ツウテンバッファロー。
「いくでぇ、このムカデ野郎っ!!」
 牙を剥き、百足エイリアンに猛攻を加えるツウテンタイガー。しかし、一方で恭子は一人になったことで悲鳴を上げる。
「ひ、ひよこぉ…。私一人じゃ戦えないよぉおっ!!」
「心配すること無い。ミサイルは撃ち尽くしてしもうたけど、ツウテンバッファローは頑丈に出来てるんや。角で体当たりをかますだけ…」
「きゃーっ!いやーっ!!来ないでぇえええええっ!!」
 襲い掛かる百足エイリアンに、混乱した恭子は盲滅法にツウテンバッファローを操縦する。それが功を奏し、バッファローは百足エイリアンの身体に傷を負わせていく。
 しかし、傷つけられたエイリアンの身体はその部分を切り離していく。そして、いつの間にかザリガニタイプのエイリアンも姿を増やしていた。
「…はあ。ホンマにキリがないなぁ…」
 溜息をつくひよこ。
「ひよこ、恭子ちゃん、よお聞け。地球の艦隊が火星人と交戦した時の事や、一隻の艦が他のエイリアンと異なるタイプを一つだけ発見した。それにダメージを負わせたとき、敵の動きが一瞬止まったらしい。地球の艦隊がほぼ全滅状態でありながら、事態を膠着できたのはその為や。それを撃破できれば、或いは…」
「で、でも、そんなん、どうやって見つけたらええのん…」
 無数に迫るエイリアンを見て、困惑するひよこ。
 そこへ突然、鷹型のメカが飛来した。足の鉤爪にはツウテンカイザーの落とした通天剣を掴んでいる。
「あ、あれはサポートメカのステルスホーク!?一体誰が?」
 驚きの声を上げるひよこ。そこへ、ステルスホークから通信が入る。
「威勢良く出て行った割には、ずいぶんと泣き言を言うじゃねぇか」
 モニターには、若い男の姿が映し出される。出撃前にひよこに空き缶を投げつけた男であった。
「な、何であんたが…」
「王鷹ってんだ。これでもパイロットの端くれでね。格納庫にあった戦闘機、勝手に使わせてもらったぜ。…おっと、自己紹介している場合じゃねぇな。この剣を拾いに行ったときに、敵の親玉らしい奴を見つけたぜ。今、そちらにデータを送る」
 モニターに映し出されたのは、硬い外殻に覆われたヤドカリのようなエイリアンであった。他のザリガニタイプに比べて体が大きく、後方に控えて動こうとはしない。
「成る程、それらしいな…。そうと分かったら早速攻撃や。恭子、もっぺんツウテンカイザーに合体やっ!!」
 言うが早いか、ひよこはツウテンタイガーを駆り、恭子の元へと駆け寄る。
「通天合体っ!!」
 二体のメカが合体し、再び威容を現すツウテンカイザー。
「ほな、剣返してもらうで、おっちゃん!!」
 ツウテンカイザーはそう言うと通天剣を受け取り、ヤドカリ目掛けて猛進する。
「おい、こら!おっちゃんってのは何だ!俺はまだ二十八だっ!!…って、聞いちゃいねぇ」
 群がるエイリアン共を蹴散らし、ヤドカリエイリアンに辿り着くと、ツウテンカイザーは猛然と剣で斬りつけた。しかしヤドカリは案の定、殻の中に閉じこもり、ツウテンカイザーの剣は空を斬る。
「こんのぉおっ!!大阪名物ハリセンチョップッ!!!」
 ひよこは猛然とエイリアンの外殻に斬りつけるが、流石の通天剣でも傷をつけるのが精一杯であった。そこへ、十文字博士がもどかしさのあまり怒声を発す。


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