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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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記憶-7

「あのお香は女性用で、思考と筋肉の働きを鈍くするものだけど……呼びかけても返事しないし……心臓がとまるかと思ったよ」

 その後、ここまで運んでミヤを呼んでくれたらしい。
 いつもなら、優しいのはラインハルト兄様のほうで、ギルフォード兄様は厳しい態度を取るのに、何だか今は逆になってしまっている。

「ラインハルトに詰め寄って聞いてみたんだが……何も答えないんだ……で、思わず殴ってしまったよ」

「はい?!」

 双子の兄弟とはいえ、現国王を殴ったと聞いて驚いた。

「それでも何も言わないんだ……キアルリアがどうなっているか詳しく教えた時はさすがに表情が変わったけどな」

 兄は肩をすくめて話を終える。
 結局、ラインハルト兄様が何を考えているのかはわからずじまいなわけだ……。

「もう少し……元気になったら自分で聞きに行きます」

「付き合うよ」

 何を言っても無駄と判断したのか、兄は諦めたように言った。

「お願いしますね」

 にっこり笑って見せると、兄も笑顔を返してくれた。


 それから、1週間は体力回復につとめた。
 何をするにもまずは元気にならないといけないと思ったからだ。
 元々基礎体力がバッチリなので、医者もびっくりするほどの回復だった。

「ここまで早く回復するとはね……っと」

 兄は振り下ろされた木刀を避けながら話す。

「ありがとうございます」

 笑顔で木刀を引き、そのまま突き出す。

「わっ!たっ!たっ」

 次々と突き出される木刀を兄は必死でかわす。
 しかし、足元が隙だらけ……素早くしゃがんでスパンと脚払いをかけると、兄は呆気なく倒れた。

「っだあっ!参った!!」

 倒れた兄の首元に木刀をつきつけると、両手をあげて降参する。

「ふふ、また私の勝ちですね」

「18の娘に一回も勝てないんじゃ王族の資格ないなぁ」

「大丈夫です。私も王族ですから」

 王族が王族に負ける分には何も問題ない、と笑いあう。
 ふと、兄が視線を上げたので、つられて見上げると城内にラインハルト兄様がいた。
 抱かれてから初めて見たラインハルト兄様は……元気が無さそうだった。
 一瞬、目が合ったがラインハルト兄様は、スッと視線をそらして立ち去る。


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