投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

ゼビア・ズ・ストーリーの最初へ ゼビア・ズ・ストーリー 101 ゼビア・ズ・ストーリー 103 ゼビア・ズ・ストーリーの最後へ

異国の姫君-7

「オレは何者だ?」

「ファンのお姫様」

「姫が他国の王に会うのに平服でいけるわけねぇだろうが!」

「お忍びって事でも?」

「だめ!ファンに泥を塗るわけにはいかねぇよ!……今開いてる店なんかねぇし……リンさんとこ行く」

 キャラは踵を返すと急いでリンの家へ向かった。


「リンさん!ドレス貸して下さい!」

「いきなり何なのよっ!?」

 ノックもせずにドアを蹴破ったキャラはリンに迫る。

「落ち着け落ち着け」

 後から追いかけてきたアースはキャラをリンから引き剥がす。

「誰のせいで慌ててると思ってんだぁ!!」

 引き剥がされたキャラは振り向きざまにアースに蹴りを入れる。

「何の騒ぎだい?」

 あまりにもギャアギャアうるさいので、ベルリアも自室から出てきた。

「いや……実は……」

 アースは蹴られた太ももをさすりながら2人に事情を話す。

「姫?!」

「キャラが?!」

 驚く2人にキャラは詰め寄って訴える。

「この馬鹿が謁見を明日にしてるんです!だから、ドレス貸して下さい!後、化粧品も!」

 事情を聞いたリンは大慌てでキャラを自室に招き入れ、ドタバタと準備を始めた。

「……なんかまずかったのか?」

 王室の事など全くわからないアースは、リンとキャラの慌てようにびっくりしてベルリアに聞く。

「お前は王室に勤めた事ないからねぇ……一国の姫ともなると、お忍びであろうが、家出中であろうが取り繕わなきゃいけない体裁ってのがあるんだよ」

 ため息をついたベルリアは、アースにお茶を淹れてくれと頼む。
 アースは上着を脱ぐと腕捲りをして、お茶を淹れつつ簡単な軽食もちゃちゃっと作り上げた。

「しかし姫ねぇ〜」

 納得するような声音にアースは振り向く。

「昼間ね、話してた時にミヤの事を知ってたから……」

「ああ……親父の彼女の?」

「うん。ミヤはファンの巫女だから知り合いっておかしいなあって思ったんだけど、姫なら当たり前だな」

 守護神とファンの王家は親密な関係にあり、その守護神の巫女は勿論王室にも出入り自由。
 知り合いどころかお互い良く知り尽くしている間柄だ。


ゼビア・ズ・ストーリーの最初へ ゼビア・ズ・ストーリー 101 ゼビア・ズ・ストーリー 103 ゼビア・ズ・ストーリーの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前