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異界幻想
【ファンタジー 官能小説】

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異界幻想ゼヴ・ヴィストラウレ-16

「うぅ……!」
 そういえばクゥエルダイドもお尻を狙っていたなと、こんな時なのに深花は思い出す。
 排泄にしか使った事のない場所をそんな風に使うというのが、どうにも信じられない。
「くそ、またイきそうだぁ……」
 ゆっくり蜜壺を撹拌しながら、ジュリアスは深花の耳にキスを降らせ始めた。
 舐める・しゃぶる・吸う・食む・噛む。
 もう一方の耳は指で犯しながら、深花の反応と感触を存分に楽しむ。
「っあ……も、もう止めて……」
 切羽詰まった様子で、深花は喘ぎ鳴く。
 腰がうねうねと妖しく動き、また限界が近づいた事をジュリアスに知らせた。
「もう駄目か?」
 問われた深花は、何度も頷く。
「そっか……なら一緒に駄目になるか」
 体を起こして腰を掴むと、ジュリアスは猛然とピストンを始める。
「ひぃあっ……!あぅ、あっ、んああああっ!」
 快感の大きな波がきて、全身を彼方へとさらう。
「あああああ……!」
 断末魔のような声と共に肉壁が蠢き、たわみ、ねじれて肉棒を絞り上げる。
「っふ……!」
 激しい締め付けに一声呻いて、ジュリアスは腰を止めた。
 半瞬遅れて、白濁液を子宮口に向けて叩き付ける。
「あふ、うぅ……」
 ずるりと肉筒を引き抜けば、深花の体はそのままベッドへ崩れ落ちた。
 荒い息をつきながら、ジュリアスは深花の隣へ横たわる。
 体を引き寄せて腕を巻き付ければ、火照った肌はぴったりくっついて再びジュリアスを楽しませた。
「……限界っぽいな」
 肩に唇をつけて後戯を施しつつ、ジュリアスは呟く。
 自分が、ではなく深花がこれ以上は付き合いきれないだろう。
「なんか……ごめんね」
 優しく体を撫でられる心地よさに身を委ねながら、深花は言った。
「夜通し相手できなくて……」
「ありゃ冗談だ。真に受けるな」
 半分以上本気の冗談だが、この場ではさすがに言えない。
「まぁ、気になるなら……」
 お腹に指を這わせると、深花はぴくりと震えた。
「あふ」
 耳たぶをついばむと、小さな声が漏れる。
「また相手してもらえればいいさ。そんときゃもっと激しくなるから、覚悟しとけよ」


 翌朝。
 目を覚ました深花は、隣で寝息を立てている人物の事をそっと指先で探った。
 熟睡しているらしく、全く反応がない。
 これはけっこうすごい事なんだなぁ、としみじみ思う。
 ジュリアスは技量・感覚の研ぎ澄まされた、一流の戦士だ。
 そんな人物が、全く警戒心を抱かずに眠っているのである。
 単純に寝込みを襲われても何とかできる相手だと判断されているだけなのかも知れないが、それを考えると自分がへこむので止めておいた。
 少し硬めの髪に触れた指を、少しずつ南下させていく。
 こめかみから顎へ行き着くと、僅かに伸びたヒゲが感じられた。
 さわさわと顔を撫でていると、この男は本当に綺麗な顔立ちをしているんだなと思う。
 普段の態度が雑すぎるせいでそういう事には思い至らないが、本来は自分のような人間が傍に近づくのもおこがましい、貴族中の貴族なのだ。
 弟のエルヴァースの方がよほど貴族らしい……言い方は悪いが、特権階級の令息らしい振る舞いをする。
 ふぅ、と口からため息が漏れる。
 たぶん、親身になって世話をしてくれるから勘違いしてしまったのだ。
 それ故に、世話の礼として体を提供しようなんてとんでもない申し出をしてしまった。
 ジュリアスには、メナファという名の想い人がいる。
 割り込む隙など、ありはしない。
 そこまで考えてから、自嘲の笑いが唇から漏れた。
 ようやく、気づいた。
 自分が一人の男としてのジュリアスに、想いを寄せているのだと。
 彼に恋してしまったのだと。


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