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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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金色の双眸-22

「散!!」

 風が渦巻き、落ちてくる瓦礫を弾き飛ばした。

「さすが魔導師……でもこの娘がどうなってもいいの?」

 男の言葉にアースは金色の目を向ける。

「ねえ?自分の恋人が寝取られるってどんな気分?」

 アースはギリッと歯を食いしばり、暴れ出そうとする魔力を抑え込んだ。

「なかなか味わえない気分だな。てめぇを殺せばもっと良い気分になれそうだぜぇ?」

 アースは腰に下げていたロングソードを鞘ごと外し、目の前でゆっくり引き抜くと鞘を投げ捨てる。
 鞘の落ちるガランという音が響く。

「残念、殺される趣味はないんだ」

 油断して笑う男の腕の中で、突然キャラが動いた。
 首にかけられた腕の肘あたりにコンと拳を叩きつける。

「いっ!?」

 ビリッと痺れた腕に驚いた男の腕を掴むと、捻りながら全体重を使ってうつ伏せに押し倒した。
 腕を捻りあげたまま背中に馬乗りになったキャラは男の耳元で囁く。

「壊れねぇって言ったろ?」

「ひっ」

「オレの勝ちだ」

 キャラは男の腕を力任せに捻り折った。

ゴキンッ

「ぎぃああ!!」

 男の絶叫にアースが喉を鳴らして笑う。

「さて……お前の主はこんなだがどうする?」

 肩にロングソードを担いだアースはザギに視線を移す。

 同じ金色の目がお互いの姿を映す。

 ザギは一瞬驚いた表情を見せ、すぐに喉を鳴らして笑う。

『……そうか、貴様……』

 ザギの言葉にアースは怪訝な顔をする。

「あぁ?」

 言いたい事があるならハッキリ言いやがれ、と不機嫌になる。

『くくっ……貴様のような者と戦うのは面白い……』

「後悔するぜ?」

 アースは床を蹴り、ザギに向かって走る。
 ザギは口をグパッと開け稲妻を吐き出した。

「チッ」

 アースは急停止するとロングソードを床に突き立て、右手を頭上に上げる。


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