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無銭湯記スパゲッチュー
【ファンタジー その他小説】

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無銭湯記スパゲッチュー-11

第12話『後継者』

「俺の話を聞いてくれ、友よ、」
 海賊船長だと言う男が俺達に語りはじめた。

 聞けば、この国『レオフォールド王国』には古い遺跡が多くあり、あちこちにお宝が眠っているらしい。そして、発掘さ
れた高価なお宝は軍が管理しているらしく、軍の司令所や、砦には宝がたくさん有るとの事だ。
「近いうちに大きな戦が有る、その時が宝を奪うチャンスだ! 友よ!」
 海賊船長は、そんな事を言いながら、真剣な眼差しで俺を見詰めていた。なかなかの大者らしく、考えることが大きい。
レイモンドの奴も目を輝かせながら、彼の話に夢中になっている。
「おい、ガイロックそろそろ行くぞ」
 不意に警備隊の隊長が、海賊船長の肩を叩きながら、そう言った。
「さらばだ、友よ! また会おう。ハハハハァ」
 そういい残すと、海賊船長はマントを翻し、颯爽と警備隊員達に両脇を掴まれて、連れて行かれた。
 どうやら捕まった船長は、監獄へ護送されている途中だったらしい。
 なんにしても、怪しい人と関わり合いにならなくてよかった。と、俺はホっと胸を撫で下ろしていた。
 だがしかし。
「行こう! 友よ! お宝があたし達を呼んでいる!!」
 約一名、洗脳されたらしいアホがここに居た。
 俺は心の中で叫んでいた。行きたきゃ勝手に一人で行け! ・・・と。

つづく


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