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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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焔の精霊-17

「大丈夫ですよ」

「あれ?そういえばキャラってどこに住んでんの?」

 学校の寮じゃないし、どこかに部屋を借りてるのかな?と首を傾げるエン。

「アースの家ですけど……」

「はあぁ!?」

 今まで面倒くさくなるから、と女性を家に入れるどころか教えた事もないアースが?!

「いつから?!」

「えっ……会った日」

 こうやって改めて話すとかなり突飛な行動だな、と思いキャラはポリポリと頬を掻く。

「……ボクさ〜アースとは15年の付き合いなんだけど……キモい……」

「へ?」

「うわぁ〜何?!そのメロメロデレデレぶり!!一目惚れで家に連れ込むとかありえない〜それで自慢の手料理とか作ってやったりしてるワケでしょぉ?!もぅ〜鳥肌ものだよ〜」

 腕をかきむしりながら背筋を震わして悶えるエン。
 さすが幼なじみだけあって、手料理で釣る事までわかっているらしい。

「はぁ〜アースってばキャラに本気だねぇ〜」

「です…かねぇ…?」

 キャラの反応にエンは怪訝な顔をする。

「キャラはアースの事どう思ってるのさ?」

 聞かれたキャラはいつもははぐらかす『嫌いじゃない』という言葉を使わずに、素直に打ち明ける。

「好き……なんだと思います……けど……迷惑かなって思って…」

 まだお互い知らない事が多すぎて踏み切れないというのもあるのだが、キャラにも事情があって、のめり込むとアースに迷惑がかかる可能性があるのだ。

「迷惑かければいいじゃん?」

 エンはケロッとした顔であっさり言いはなつ。

「アースってば迷惑ぐらいじゃビクともしないし〜さっき言ってたじゃん?『手離す気無い』って」

 聞いてたのか?!とキャラは真っ赤になり、聞こえたの、とエンはニヤニヤ笑う。

「ちょっとだけ、勇気出してみなよ?」

 エンはそれだけ言うと、手を振ってアビィと共に帰っていく。
 その後ろ姿を見送りながら、エンのポジティブ思考を見習ってみようかな、とキャラは考えた。


「ただいま」

「おぅ、お疲れ。先に飯喰うか?」

 片付けをサボって先に帰っていたアースが台所から顔を覗かせる。

「先に風呂。砂まみれだ」

 瓦礫の撤去でジャリジャリ音がするぐらいに。


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