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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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焔の精霊-12

「おぉ、わりぃ」

 勘違いに気づいたアースは急いでエンとキャラの周囲に結界を張る。
 結界が張られた事で、力尽きたエンがキャラに倒れ込む。

「ふぎっ」

「大丈夫ですか?」

 倒れ込んできたエンを受け止めたキャラは心配そうにエンに声をかける。

「……やわらかい〜」

 ちょうど顔が胸に埋まり、かなり幸せ♪

「わっ」

「コラっ!エン!それは俺のだ!それ以上動いたらぶっ殺すぞ!」

「えぇっ?!」

 そうなのぉ?とキャラの顔を見ると、真っ赤になってオタオタしていた。
 初々しい反応にエンは思わず吹き出す。

「つうか、このデカいのは何なんだ?」

「あ〜と…ボクの精霊なんだけど〜とりあえずその子出してくれるぅ?」

 じゃないと動けない。

「壁壊すか……ちょっと慎重にいくから、もうちょい我慢してろよ」

 下手に壁を壊したら建物全体が崩れてしまうので、周りを補強しつつ壁を壊す。
 アースが顔を引っ込めて魔法に集中している間、エンはキャラにニヤニヤ笑いかける。

「なんですか……」

 体勢もあるのだが、物凄く居心地が悪い。

「ん〜?アースが『俺のだ』なんて言うなんてね〜ベタ惚れだね」

 クスクス笑うエンにキャラはキョトンとした顔で問いかける。

「ベタ惚れ……ですか?」

「そうだよ〜アースって女癖悪いし執着心無いもん。ヤキモチ妬くとこ初めて見た」

 エンの言葉にキャラは驚いた表情を見せる。

「あれ?自覚ない?」

 キャラの表情に今度はエンが驚く。

「いや、あの…好きだとか言われますけど……結構、誰にでもそうなのかなぁ〜って……」

 学校で働き初めて約ひと月の間、アースの噂は嫌というほど耳に入ってきた。
 その噂の殆どが女性関係で、相手の女性達は皆キレイで女性的でおおよそキャラとは似ても似つかない正反対のタイプ。
 今は物珍しさもあり自分をそばに置いているのだろうが……アースにとって自分は沢山いる女の中の1人で、特別だというわけではない……とキャラは思っている。


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