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異界幻想
【ファンタジー 官能小説】

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異界幻想ゼヴ・ラショルト-21

『ちょ、何を……!?』
『触り心地もいい。楽しませてくれよ、曹長』
 その後、クゥエルダイドは支配下に置いた深花の体を、自身が気絶するまで撫で回し舐め回して楽しんだ。
 それからクゥエルダイドが地面にはいつくばり、ジュリアスの怒声が聞こえる。
「少尉と候補生は、ここで初顔合わせでした」
 ティトーは、僅かに肩をすくめる。
「自分も駆け付けたかったのですが、アパイア伍長に邪魔されましてね。それより、次をどうぞ」
 ティトーは宝石を握り、映像を切り替えた。
 今度は、深花の家である。
 玄関ドアがノックされ、向こうから『深花ー?』というくぐもった声が聞こえた。
『ティレット?』
 いそいそと玄関まで行った深花は、あっさりとドアを開ける。
「これは単純に曹長のミスです。本人確認は基本中の基本ですし、口をすっぱくして警告したんですがね……」
 平和と親愛は深花の基本信条だから、仕方ないかとも思う。
『クゥエルッ……!?』
 友人かと思ってドアを開けた深花は、目の前でにやにや笑うクゥエルダイドを見て驚きの声を上げた。
『よう曹長。お迎えに上がったぜぇ』
 毎日ジュリアスにしごかれたのは無駄ではなかったらしく、深花はとっさに後ずさってクゥエルダイドの腕の範囲から逃れた。
『何の用!?帰ってよ!』
 本人は必死の声を張り上げているつもりなのだろうが、何と言うか……むしろ嗜虐心を揺さぶられて思わず邪悪な舌なめずりをしたくなる声だ。
 実際クゥエルダイドも生唾を飲み込み、口元を緩めている。
『いい格好だな』
 そう言われた深花は、ちらりと自分の体に視線を走らせる。
 いかにも肌触りが気持ちよさそうな上下お揃いの寝間着を兼ねた室内着に、ルームシューズ。
 自宅なのだから当然といえば当然なのだが、リラックスした格好である。
『脱がせやすくて実にいい』
 腕を巻き付けるようにして自分を庇う深花を見て、クゥエルダイドは失笑した。
 警戒と怯えが入り混じった瞳の色は、嗜虐心を大いにそそる。
 そんな考えが手に取るように分かる、クゥエルダイドの表情だ。
『何もここではヤらねえよ。ちょっと付き合ってもらうぜ』
 じりじりと詰め寄られ、深花は部屋の隅へ後退していく。
『嫌!帰って!出てって!』
 クゥエルダイドが、笑い声を漏らした。
『なんだってそう、本気で嫌がってるくせにこっちを誘ってるようにしか聞こえねえんだ。難儀な声してやがるな』
『そんなの知らなっ……!?』
 急に間合いが詰まり、深花は再び後退しようとして……背中がどこかについたらしく、映像が揺れた。
『詰み、だな。何しても構わねえが、暴れても無駄だからな』
 ぐっとクゥエルダイドが近づいてきて、視界をその顔が占拠する。
『……目ぐらい閉じやがれ』
『嫌っ……!』
 これから起こる事を拒絶し、首を振って嫌がっているのにもかかわらずクゥエルダイドは強引に顔を近づけた。
 手に指を絡め、動きを封じてから唇を奪う。
『ん……!』
 せめて視界にクゥエルダイドを入れるまいとでもしたのか、深花が目を閉じた。
「彼がここまで接近した以上、暴れるのも悲鳴を上げるのも全て潰されてしまうのは交流戦の時に思い知らされた。だから抵抗しても無駄だと曹長は考えていたとの事です」
 舌に噛み付こうとしたり腕を突っ張ったり体を引っ掻こうとしたり、深花なりの抵抗の音とクゥエルダイドの舌が深花の口内を舐めずり回し混ざった唾液を飲ませる音が、しばし響く。
 しかし、漏れる声は次第に甘く淫靡な息遣いに変化していった。


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